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誤り訂正符号

ディジタル通信には誤りが起こらない高い信頼度が求められている。誤り訂正技術とは、情報に冗長性をもたせることにより、情報に誤りが発生しても復元できるようにする技術である。情報を扱う多くの分野(無線通信、インターネット、情報圧縮、量子情報、磁気記録)への応用があり、計算機科学と関連している。誤り訂正技術は、強いノイズにも耐えられるようにすること、符号化の冗長性をできるだけ低くすること、情報復元に必要な計算量を低くすることなどが目的である。符号理論は、このような誤り訂正符号の構成法、符号化・復号化、符号による誤り訂正検出・訂正の限界、符号を用いたときの信頼性の解析などを扱う学問であり、誤り訂正技術を理解する上でとても重要である。

Low-Density Parity-Check (LDPC)符号に関する研究
  

LDPC符号とは1963年にR.Gallagerにより提案された誤り訂正符号であり、非零要素が非常に少ない疎な検査行列により定義される線形符号である。Sum-product復号法と呼ばれる復号法と組み合わせることでシャノン限界に近づく復号性能を示すことが分かっている。2元LDPC符号の検査行列の構成には、行重み列重みが均一である正則LDPC符号と行重みと列重みが均一でない非正則LDPC符号に大きく2つに分けられる。一般的には復号性能の点で正則LDPC符号が良いとされているが、正則LDPC符号よりも優れた非正則LDPC符号の存在が知られている。

QRコードの誤り訂正符号に関する研究
qrcode

QRコードとは携帯端末からURLや情報を読み取れる簡単に読み取れることから多く利用されている。現在、白と黒の2値であるQRコードでは大容量データの埋め込みではコードサイズの肥大化や読み取り精度の低下などの問題がある。これに対して、セルに色情報を付加することで小さなコードサイズのQRコードに音声や画像などの大容量データを格納する多値拡張QRコードが注目されている。
また、現在QRコードの誤り訂正符号にはRS符号が使用されており、これに替わり優れた誤り訂正符号を用いることでQRコードの誤り訂正能力の向上が可能である。また、QRコードの視認性の向上を目的としたイラストQRコードも注目されておりデザイン性の高いQRコードを目にする機会を多くなっている。

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